ご無沙汰しています。SJTの試験準備に追われて、ブログから筆が遠のいております。
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SJTとGood Medical Practice
さて前回の記事でも触れたこのSJTですが、研修医としてのプロフェッショナリズムを測るものだということはお伝えしたと思います。そのため私は今、試験対策のみならず医師として働く準備の一環として、医師の責任等を記したガイドラインである、Good Medical Practiceというものを読み込んでいます。これは、イギリスの医師免許認定機関であるGeneral Medical Council (GMC)が出版している、医師の職業上あるべき姿を細かく記したものです。SJTもこのガイドラインに沿って作られています。
このガイドラインをよりより分かりやすく説明するため、Good Medical Practice in Actionというケーススタディーも併せて発表されています。この中の一つに「医師のソーシャルメディアの使い方について」を取り扱ったものもありました。このブログを書くという作業とも密接に関係してくるため、とても興味深く思いましたので、GMCのソーシャルメディアのガイドラインを紹介してみたいと思います。
Professional boundaries
このケーススタディーの中で、救急病棟で働く医師が、未成年の患者さんからFacebookの友達申請を承認してほしい、と頼まれる場面があります。この時に強調されているのが、患者さんとしっかりとした距離を持つことが大切という点です。FacebookやTwitterで友達になるという行為は、医師と患者としての関係性を崩すことになり、プロフェッショナリズムの観点からは基本的に禁止されています。
このケースでは、患者さんが精神的に不安定な部分がある、未成年である、などという要素が加えられています。つまり、特に弱い立場にあり、医師など力を持った存在からの影響を受けやすい可能性が多分にあるのです。そういった場面では、特に患者さんとの境界を明確にし、個人的な友達としてではなく、あくまで医療的なケアを施す存在として接することがとても重要になってきます。従って、ここでの正しい行動は、「あなたに自分のできうる最良のケアをすることが私の仕事であり、ソーシャルメディアで個人的につながることは、その目的を妨げる事になるよ。」というメッセージを、否定的でない言い方で伝えるということになります。
Privacy setting
また、このケーススタディーでは、ソーシャルメディアで特定の患者さんについて議論をしたり、医師という職業におかれた信頼を損なう行為をすることについて触れられています。シナリオでは、複数の医師がFacebookの非公開グループで、ある患者さんについて話をする場面が書かれています。ここで強調されているのは、公開範囲の種類にかかわらず、上記の行為をすることは控えるべきという点です。「ネットに出た以上、その情報のプライバシーは守られていない事を前提として行動しなさい」というような事が結論として書かれています。
例えば、患者さんの名前や住所を出さなくても、その医師が働いている病院や部署が分かったとします。その人が「昨日○○の症状の患者さんをみて〜の処置をした」といった投稿をした場合、患者さんの身元を特定することは可能かもしれません。
教育目的でできる限り個人を特定できないよう配慮をし、公共の場で発表するなどと言った場面で払われる注意が、よりカジュアルなソーシャルメディア上では行われないことが多々あると思います。そういった点で、ネット上でどんな種類であっても患者さんの情報を出すことには危険が伴います。公開設定が制限されているからと言って、油断してはいけないと言うことです。
Identify yourself
またこのシナリオでは、ソーシャルメディア上で医師として発言をする場合は実名を使うべきという点が述べられています。GMCは医師がネット上で情報を発信したり、ネットワーキングをすること自体を禁止しているわけではありません。むしろ、より広い範囲で正確な情報を発信していくことは患者さんの利益にもつながるという見解を示しています。
ちなみに、一切医療情報を呟かず個人的なツイートを友達とするだけのアカウントであれば、完全にプライベートの世界ですから、この規定は当てはまりません。あくまでDrとしてソーシャルメディアを使用する場合です。
医師として情報を発信する以上は、責任をもってネット上で発言するべきであり、そのため実名を使うことが推奨される、と言う事です。確かに、私がツイッターでフォローしているイギリスの医師の方々のアカウントをみると、皆さん何らかの形で本名を出しています。
まとめ
今回はGMCとソーシャルメディアの使い方についてお話しました。私自身も現在はツイッターで実名を使って活動をしていますし、自分の発言に責任をもつというのはとても職業倫理として大切だなと感じます。ネットでの発言は自分が削除をしたとしても残ってしまうケースもよくありますし、より注意が必要です。
だからといって、現代社会で医師のネット上での活動を一切規制することは、患者さんにとっても医師にとっても最善でないのは確かです。しっかりとしたガイドラインの元、ソーシャルメディアというよりカジュアルよりのツールを使いこなしていけるようになりたいものです。日本でも該当するガイドラインがあるのかどうかも、興味のあるところですね。
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