Diagnostic over-shadowing

日記

こんにちは。病院から変わってGPクリニックでの実習に移り、電話でのコンサルテーションの練習を積んでおります。

最近のリフレクションで印象に残ったことで、第一印象がどう臨床診断に影響を与えてしまうかを考える機会がありました。専門用語では、diagnostic shadowing と言われることもあります。例えば、learning disabilityを持つ患者さんの行動が普段と変わり始めたとき、それは身体的な原因ではなく、学習障害に端を発していると結論付けられ易くなり、誤診につながると言うような現象です。

電話コンサルテーションをした患者さんの主訴は、「ガラガラと言う音がする(I have rumbling sound)」という物でした。リフレクションにはこうあります。

When I heard the patient talking about a ‘rumbling’, I instantly connected that presenting complaint to audio symptom. I asked about history that is relevant to the auditory hallucination. Until the end of the consultation, I did not have any idea what he was talking about. However, when the GP phoned him after that, it turned out that the ‘rumbling’ was indeed coming from his abdomen, and what he meant was bloating.…(略)…This made me think about how my primary impression can fog the understanding. Although I was using the open questioning, I was not really listening.

音がすると言う表現から、私は患者さんの精神疾患とつながった症状だという先入観にとらわれてしまいました。このため、音と言っても、このケースのように聴覚的な音だけではなく、例えば消化器から来る音があると思い当たりませんでした。

如何に先入観にとらわれず、患者さんの言葉を時間をかけてそのまま聞くという技術が大切なのかを、実感する良い機会となりました。

 

コメント

  1. 南 宏太 より:

    Diagnostic shadowingは初めて聞きました。日本ではそういったバイアスについて学ぶ機会は少ないでの勉強になります!

    電話だと患者さんの顔が見えないので難しそうですね…

    • ankozato より:

      そうですね。ボディランゲージで音がする場所をさせたり、実際はするかもしれないので、声だけだとハードルが上がるのは必然なのかもしれません。

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